11/06（土）　高田馬場AREA
【19周年記念ライブ】

　既に幕の開いたステージへ、いつものSEが流れる中、メンバーが上がってきた。機関銃の乱射を思わせるイントロが鳴り出して、「A Rebellious Hero」から１９周年記念ライブは始まった。JOEさんは黒い革のジャケットの黒のジーンズ。HARA-chanは豹柄のシャツに黒の革パンにベスト。HAKUEIさんは赤地に和柄のシャツに黒の革パン。DEBU-chanは黒のデニムの上下。AMIさんは最近良く着ているブルーのジャケットという出立ちだった。
　最初の曲は、メジャー１枚目のアルバムから。この１９周年ライブは、直前になって「メジャーデビュー以降の全アルバムから最低でも２曲は演奏する」と告知があった。最近でもライブでは演奏されてはいるが、告知後改めて聴くと懐かしさを感じてしまう。メジャー１枚目は1989年に出たからね。そしてライブは息つく間もなく、勢いと激しさを増していく。そんな中でも時折、笑顔が見えたりして、実に楽しそう。４曲が終わったところで最初のMCのコーナー。「仰々しいタイトルを付けたと思われるでしょう」とJOEさん。「１９周年なんて中途半端」と自ら言ったりもして（笑）。「２０周年は来年なので」（中途半端だろうがなんだろうが）仕様が無いのだそうだ（笑）。そして、珍しく結成当時のことを話し出した。JOEさんがG.D.の前のバンドを解散してしばらく後、1985年10月30日に西新宿にあった旧LOFTで初めてライブをしたそうだ。それから丸まる１９年が経過。長かったんだろうか、それともあっという間だったんだろうか。そんな思いが一瞬頭の中を過る。そんな中、JOEさんの口からは「今日はいっぱいやるぞ！」「いつもより多いですよ」「体力を充分保って最後まで楽しんで下さい」等々、ライブへの意気込み（？）と注意事項を続ける。どうやら感傷的になるにはまだ早いようだ（苦笑）。そして、「こんな曲もありました」と「DAISY」が始まった。いや、もう、懐かしいのなんのって。「Love Me DAISY！」と自然に口ずさんでいる。この頃の曲は、頭じゃなく身体で覚えてるという感じ。一緒に口ずさみながら、当時のことが頭の中を大忙しで行き交っていた（笑）。「MONKEY-TRICKS」の後に２回目のMC。JOEさんは「（自分にとっては）どの曲も同じくらいの思い入れ」だそうだが、「お客さんの顔見てるとわかりますね」と続く言葉に、最初は何を言いたいのかがわからなかった。が、しかし、次の一言で疑問は一気に氷解した。「『DAISY』でノリノリの人はどうかな？（笑）」...JOEさん、大きなお世話です！と、心の中で突っ込んでおいた（笑）。リアルタイムで聴いてる時には、まさか自分でも、今でもライブに行っているなんて想像もしてませんでしたから。お互い様じゃないですか。なんて思っているところへ「頑張って生きていこうな」と力強いお言葉が（笑）。はい。これからも頑張って生きて行きましょう（笑）。
　それから、次の曲を紹介する際に、意外なつながりがJOEさんの口から語られた。一時期、サポートのベーシストとしてライブやレコーディングに参加してくれていたSHONさん（元ニューロティカ、現30％Less Fat）とAMIさんが、実は10代半ば頃からの知り合いだという。JOEさんによると、「ブイブイ言わしてた」らしいです（笑）。ここでAMIさんを紹介。G.D.に参加して丸一年が経過。月日の経つのは早いものです。でも、何だか一年どころじゃ無い感もするけど。で、AMIさんからの一言。「『DAISY』でノってもらわないと！」（笑）。せっかく覚えた甲斐がないですからね。本当に。前歯が入ったAMIさんは、しかし、まだ改造中だそうで、「早く人間になりたーい！」と叫んでいた。そして、何と、AMIさんの歯の治療をしている歯科医の先生も見に来ていて、これからの治療もよろしくという意味もこめて、先生に向けて拍手を贈った。そして、何故SHONさんの話が出たのかと忘れる頃、「009　檻からとび出せ！」（作詞：SHON & 稲田錠）が始まった。今回はAMIさんのほぼ目の前にいたので、ベースの音が良く聞こえる。最近ライブでやっている曲ばかりでなく、昔の曲でも違和感なくというか、弾かされている感がないのは、AMIさんの努力の賜物なのだろう。楽し気に弾いている姿がまた嬉しいのだ。
「もっとやさしく」は、HAKUEIさんのギターソロが好きだ。難しい事はわからないけれど、いつもこのフレーズを聴く度に好きだなぁと思う。で、手元をつい凝視。
　曲が終わると、ステージに椅子が並べられた。アコースティックだ！と、ワンマンならではの企画に思わず手を叩く。JOEさんが話をしている間、バックでHAKUEIさんやHARA-chanがギターを小さな音で弾いたりして、場が一気に和んだ雰囲気になる。夏に高円寺の居酒屋「抱瓶」でも聴いた「DRIVIN' BOOGIE」、そして「My Sweet Room」を聴く。（DEBU-chanはまたカホンという理科室の椅子にしか見えない打楽器を使用）座ってゆっくりと聴きたいような感じ。アコースティックコーナーは、マメにMCが入る。DEBU-chanの叩くカホンの説明で、何故か「移民の歌」のイントロへ。他のメンバーも加わって、AMIさんがひと節、「Ah〜」と有名な出だしのコーラスを歌い、うまいねとJOEさんに褒められていた（笑）。そして３曲目は何と！「SUNNY」だった。これは滅多に聴けなかった曲なので、嬉しかった。HAKUEIさんのソロもいつまでも聴いていたかった程。最高！ギターソロに入る度に耳が大きくなりそうな感じ（笑）。
　「たまにはこんな感じもいいじゃないねぇ。」と、話すJOEさんの声もとても優し気で、とてもゆったりとした雰囲気が漂う。そんなJOEさんの後ろで、DEBU-chanが縁日のテキ屋よろしく、スネアとブラシで焼そばを焼くという小ネタを披露していた。そんな中で、話は来年の２０周年へと続いていき、JOEさんから嬉しい情報が発表された。と言っても、まだ正式に決定したわけではないのだけれど、JOEさんいわく、レコード会社の社長が見に来てるし、「言ったもん勝ち」ということで。今までの曲を新しくレコーディングして、ベストアルバムを出すと発表。AMIちゃんもたくさん曲を覚えたしねと笑ってました。で、盛り上がったまま次の曲へ進むのかと思いきや、JOEさんがHARA-chanに「で、どうやって始めんだっけ？」と、何とも言えない発言。今日は曲数が多いからと言い訳しながら照れ笑いを浮かべていた。するとHARA-chanに「アンタ、黙って待っとけば大丈夫よ」と言われて、椅子にちょこんと座り直すJOEさんだった（笑）。アコースティックコーナーは、この後「Party Allnight」を演奏して終了。
　「来年の話をすると歯が抜ける？」とか、来年だから「忘れちまうな」とつぶやきながら「これでもくらえ」と。続く「BODY IS MONEY」でHARA-chanもソロを披露。そして「Born Under The Lucky-Moon」。ここまででいったい何曲やってくれたんだろうか？終わりが見えない。どの曲で終盤なのか、予想がつかなかった。最後の曲とJOEさんが言うまで、まだまだ続くと思っていた。最後は「ロックンロールの自殺者」。どうもありがとう！楽しかったです！と言い、ステージを降りて行くメンバー達。そんな彼等の後ろ姿が見えるか見えないかの内に、もうアンコールの拍手と声がかかっていた。
　しばらくして着替えたメンバーが一人づつステージに戻って来た。「９０年ものが出て来たので」と言ったJOEさんが着て現れたのは、薄いピンクのライダース！！まさに９０年もの！かつてはライブで良く着ていたし、トラベリンバンドのジャケットでも着てたライダース。懐かしい！余談ですが、JOEさんの「９０年もの」云々のセリフは、ライブ時に本人が言っていた通り、6月に野音で行われたSIONのライブでSIONが昔着ていた衣装で登場した時に言ったセリフです（笑）。
　そして「全てはここから始まりました」と、HARA-chanとJOEさんの初めてつくった曲、「AGAINST THE WIND」を演奏。そういう曲が、今も聴けるというのは、実は珍しいのではないかと思った。間奏でJOEさんが叫ぶ「今日はどうもありがとう！」と。「Workin' Dreamer」は、イントロからサビまでがかなり大幅にアレンジされていた。レゲエ調？でも、サビからはしっかり速かったけどね。３曲目の「CHANGES」が終わってMCが入る。さすがワンマンライブだと、妙なところで感心したりする（笑）。
　次は何とAMIさんのリクエストだという。最近、たくさん曲を覚えてきたそうで、JOEさんの言う所では「余裕」も出て来たとのこと。で、リクエストは「Bye・Bye・JAP !」。AMIさん、これからもどんどんリクエストして下さい！
　アンコール２回目は、これからもG.D.をよろしくと始まり、「SOMEDAY」から。いつかの大阪のライブでは、客席からのアンコールのリクエストに上がって、HARA-chanが「速くて（いきなりは）無理」とか言っていたのを思い出した。まだまだ余力は残っているとみた（笑）。そうそう。着替えて出て来たメンバーは、DEBU-chanとAMIさんがこれまた新作の１９周年Tシャツ。HAKUEIさんは黒地に赤い髑髏のTシャツ。JOEさんとHARA-chanがお揃いの新作の青×黒の長袖のボーダーTシャツを着ていたが、本当は仲が悪いのにねと笑っていた。アンコール２回目の最後は「LOVE SONG」。演奏し終わって楽屋へと向かうメンバーの顔が笑顔だったのは、メンバーも楽しんでいるからなのだろう。
　アンコールは結局３回。３回目は、アンコールの声に応じて出てきてくれるのが早かった！そして直ぐさま「Born To Lose」のイントロを弾き始めるHAKUEIさん。いったい、今まで何曲演奏してくれたんだっけ？と思うくらいメンバーのステージアクションは激しく、最後の最後、「PINK-HIP-GIRL」に至っては、HAKUEIさんが走ってたような気が...HARA-chanもAMIさんも、ただでさえ高い身長がますます大きく見えるくらい激しいアクションで弾きまくっていた。まるでライブはこれから始まるのかと思うくらいの盛り上がりを見せつけられて、１９周年の記念ライブは終わっていった。
　こんなライブを見せつけられて、これからもますます目が離せなくなってしまった。